InAs/GaSb/AlSb量子カスケード構造


量子井戸構造サブバンド間遷移を用いた発光素子は構造により遷移波長を広範囲に制御できるため、 近赤外からテラヘルツ帯までで動作する光デバイスとして注目されています。特にサブバンド間発光 素子は、コンパクトなテラヘルツ帯光源として、テラヘルツ帯ヘテロダイン検波用の局部発振器や生 体・化学の高分解能分光光源などへの応用が期待されています。
 サブバンド間光学遷移をベースにしたレーザーは、1994年に量子カスケードレーザーとして実現さ れました。量子カスケードレーザーは、広い範囲で発振波長を選択できるというサブバンド間光学遷 移の特徴のほかに、発光層が多段につながったカスケード構造を用いることによって1つのキャリア から多数のフォトンを放出することができるという特徴をもち高出力化が可能です。



しかし、現在実現されている量子カスケードレーザー(GaAs/AlGaAs系, GaInAs/AlInAs系)は発振における 閾値電流密度が高く、室温での連続発振は難しいという問題があります。そこで私たちはこの問題を解決で きる材料の1つの候補であるInAs/GaSb/AlSb量子カスケード構造に着目して研究を行っています。


「新型量子カスケードレーザーの発振に成功」(発表記事

  

               発振スペクトル


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